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[メモ]開頭によるバイパス術の合併症について

こちらのサイト 『近畿大学医学部脳神経外科 もやもや病という病気の病態と治療について』に開頭によるバイパス術の合併症について、詳しく説明が書かれていましたのでメモ代わりに引用させていただきました。
全文はリンク元のサイトでご確認ください

手術中、手術後の脳梗塞

もやもや病の患者さんの手術の際最も問題となるのは手術中の脳梗塞です。患者さんはすでに脳への血流が低下しているため、ほかの一般的な腫瘍摘出術などの開頭術に比べて、術後の脳梗塞の再発、悪化の確率が高いと考えられています。ある報告では完成脳梗塞の発症率は1.9〜8.8%とされています。また血液の中には様々なものが溶け込んでいます。その中に炭酸ガスがあります。動脈血の中の炭酸ガス濃度が低下すると脳内血管が収縮し脳血流が低下します。特にもやもや病では炭酸ガス濃度の低下にて正常に比べて過敏な反応を生じます。つまり動脈血炭酸ガス濃度の低下によりもやもや血管が過敏に収縮し脳血流が低下し、合によっては脳梗塞になってしまいます。手術中は動脈血炭酸ガス濃度が正常範囲内になるよう厳重に管理しますが、それでも術中、術後に梗塞が発生することがあります。

手術中、手術後の頭蓋内出血

手術では頭皮、硬膜などの組織を切開します。当然切開部位からの出血を生じますので手術中は頭蓋内の止血は完全に行いますが、時に手術中、手術後に頭蓋内出血を生じる場合があります。患者さんの脳では虚血状態に陥っている部分があると考えられます。その虚血の程度が強い場合その部位の血流量を増加させると出血を生じる可能性があります。

合併症による脳・神経機能の障害の代表的な症状

運動麻痺、片麻痺、両麻痺、運動失調、失行、複視、眼球運動障害、眼瞼下垂、顔面麻痺、発語障害、嚥下・呼吸障害、嗅覚障害、視力・視野障害、聴覚障害、感覚脱失、異常感覚、頭痛、精神障害、言語障害、記憶障害、知能障害、けいれん、てんかん、見当識障害、意識障害、内分泌障害、尿崩症など。また、脳・神経機能の障害が重度であるときは昏睡となり、重篤となります。

このような障害が出ないよう、病院側は厳重な管理のもと手術、術後のケアを行なってくれるはずです。

頭皮の壊死、手術部位の脱毛、頭蓋骨変形

手術は本来頭皮の栄養動脈である浅側頭動脈を使用します。従って手術後使用した浅側頭動脈が栄養する頭皮組織の血流が悪くなる可能性があります。すなわち頭皮の壊死、脱毛などの美容上の問題を生じる可能性があります。また、開頭する際、頭蓋骨を一部切除するため、手術後頭蓋骨が変形し美容上問題を生じることがあります。

これは女性は特に気になりますね。。
わたしも自分の頭を手で触るとぼこぼこしています。見た目はそれほどわかりません。
半年くらいで髪の毛もだいぶ生えてきました。周りの毛で十分隠れる程度の傷跡です。
手術部分のみを剃る場合もありますし、その周りを大きく剃り落とす必要があると判断される執刀医もいるようです。
衛生面での考慮や手術部位、どの血管をどうつなげるか、とか様々なことを踏まえる必要があるので、一概に髪の毛は剃りたくない、と言っても希望通りにならないこともあるようです。

また、このブログの読者さんで術後の傷の痛みが長年良くならず深刻に悩んでいらっしゃる方もいます。
わたしも2回めの手術のあとはしばらく、半年くらいでしょうか、突っ張るような痛みがあったり、傷口から出血したり、痛くて普段の生活に支障が出るような時期もありました。
主治医への相談もしましたし、同じ大学病院内の皮膚科にもお世話になりました。
違和感があったり、血が出たりすると、「なにか大変なことになっているんじゃないだろうか」とか不安になってしまいますよね。
先生方は「気にしすぎ」とおっしゃいますが、気にしないなんて無理ですし・・・・。

どんな手術も危険性はゼロではない。では経過観察をすべきか。

これまで説明したように治療には様々な問題を生じることがあります。従って、こうした危険性をさけ様子を見るすなわち経過観察を希望される患者さんもあると思います。ここで再び経過観察のみを行った場合どうなるかということを述べます。もやもや病では自然経過にて頭皮や硬膜を栄養する外頚動脈から脳内へのバイパスを生じます。患者さんによっては手術治療を施行した場合と同じくらいのバイパスが自然の経過によって形成されることもあります。しかし、こうした自然の経過で生じるバイパスのみでは不十分で、さらに虚血を生じることや、頭蓋内出血を生じる可能性が高いと考えられます。10、20年という単位で考えると少しでもバイパスを多くつくり虚血や出血を生じる可能性を低くすることが重要ではないかと考えられます

患者さんの状況によりそれぞれ異なると思います。主治医とよく相談して決めましょう。
わたしは、片方の手術が終わり、しばらくしてすぐに反対側にTIAの発作が出たので、もうこれは手術を受けるしか無い、と決断しました。

麻酔による影響

手術は気管内に人工呼吸のためのチューブを挿入して、全身麻酔により行いますので、手術に伴う痛みは感じません。しかし、この影響により手術後に喉の不快感や声が一時的にかれたりすることがあります。

すべての手術でこのような麻酔を使うとは限りませんが、わたしもこの手法で麻酔を行いました。
やはり術後は喉の痛みがツラかったです。でも一時的なものですので、適切な処置をしてもらえば1週間程度で良くなると思います。ツライですが、この痛みは治るものなので我慢です!

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2013/06/14 | つれづれ

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Comment

  1. えり より:

    nyarockさん、こんばんは☆
    nuarockさんのアンテナの高さには頭が下がります(*^^*)

    私は、手術前の処置で頭を丸刈りにしました(≧∇≦)今でこそ「丸刈り丸刈り〜♪こんな機会がなければできないよ⁉こんな頭♪」と、ノリノリで刈ってもらいましたが、手術当時は9歳。しかも院内の床屋さんで、バリカン後→カミソリという完璧な剃髪。床屋さんは1階で、6階の病棟に戻るまで恥ずかしくて恥ずかしくて、ケープを借りて頭を隠して病棟まで戻ったのを覚えています☆

    麻酔も、喉は痛めなかったものの、挿管用?の前処置として管を何本か入れられ、痰の吸引をされました。意識のあっ状態でのことなので非常に辛かった(*^^*)

    そういえば、今回送られてきた特定疾患の更新手続きの書類の中に「難病患者のための緊急医療手帳を作成しました」というお知られが入っていました。これは窓口配布ということなので、自ら動かないと手にはいらないようですが。

    今週末、もやの会(静岡)でランチバイキングに行ってきます!もやの会初参加…ドキドキですが、いろんなお話しができたらなぁと思います☆

    • nyarock より:

      えりさん

      こんばんは。
      たまたまみつけたページだったのですが、メモ代わりに引用させていただきました。

      難病患者のための緊急医療手帳は2012年くらいから始まり、今年にかけて各県に普及しているようですね。
      わたしはまだもらっていませんが、ちょっと問い合わせてみようかな。。

      自治体や難病センターのホームページなどで説明されているようですので、気になる方は調べてみてください。
      たとえば神奈川県だとここ→http://www.pref.kanagawa.jp/prs/p632510.htmlですね。
      岐阜県の難病センターのホームページだと、こんな感じ→http://www.gifunanbyo.org/2012kinkyuu.html(ちょっとシンプル・・・)

      PDFで配布しているようなので、プリントアウトして持っておくのでも良いかと思います。

      情報ありがとうございました!
      もやの会、楽しんできてください〜

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