症状
脳虚血型と脳出血型
脳に必要な血流が不足した状態(脳虚血)による脳梗塞や一時的な発作、または、細く弱いもやもや血管が破綻することによる脳出血で発症します。子供の場合は、脳虚血で発症することが多く、30〜40歳代の大人は、脳出血で発症する場合が多いとされています。
※子供での脳出血、大人での脳虚血もあります。
脳虚血型: 虚血の発作は過換気(過呼吸)が原因で起こる
過換気状態になると血液中の二酸化炭素分圧が低下する。
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二酸化炭素は血管を拡張させる働きがあるので、これが減少すると血管が収縮する。
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元々細い異常血管網(もやもや血管)はさらに収縮を起こして脳に送るべき酸素の供給が不足する状態になる。
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失神や脱力発作が起こる。
典型的な過換気状態 = 避けたい行為
- 熱い蕎麦やラーメンなどをふぅーふぅーと冷ます「吹き冷まし」行為
- 啼泣(いわゆる大泣き)
- リコーダーやピアニカなどの吹奏楽器演奏
- 全力疾走などの激しい運動
上記のような必要以上の呼吸を伴う動作で発生します。これは大きな息を短い時間に繰り返すと、血液中のある成分のバランスが崩れるためです。成人発症例では動脈硬化が関与して狭窄を引き起こすものと考えられている。
虚血による発作の例
- 手足、または全身の脱力
- 手足のしびれ、麻痺
- 手足が勝手に動く不随運動
- 視野などの感覚の異常
- 言葉が出にくくなる、呂律が回らないなどの言語障害
- 意識が遠くなるなどの意識障害
- 痙攣、てんかん発作
見過ごしがち!一過性脳虚血発作
脳虚血発作のうち症状が一時的ですぐに元に戻る場合を「一過性脳虚血発作」と言います。
24時間以内に症状が消え、元に戻る場合を言いますが、実際には数分から30分以内に神経症状が消失することがほとんどのようです。
すぐに収まるからと言って安心せず、以上に気がついたら早い段階で病院(脳神経外科、小児神経科、神経内科)で診察を受けてください。
岐阜大学 脳神経外科 臨床教授 吉村紳一先生によるTIA(一過性脳虚血発作)の説明ムービーです。
脳出血型: 症状は出血した部位により様々。緊急の対応が必要!
出血はもやもやした弱い血管が破綻し、そこから出血すると考えられています。
脳出血の症状は突然おこります。脳内出血・脳室内出血・くも膜下出血などの頭蓋内出血による発症が一般的。
緊急の対応が必要です。