直接バイパス後の過潅流
わたしの2回目の手術は、直接バイパス手術と間接バイパスを右側の脳に施しました。
一回目の左側は間接バイパスのみでした。
間接バイパスと直接バイパスの大きな違いのひとつに、血流が回復するスピードがあります。
間接バイパスはバイパスした箇所に血管が成長し、血流が回復するまで数ヶ月かかりますが、直接バイパスは、つないだ瞬間に、血流が回復します。
今まで血流が足りなかったところに、急に血流が戻るわけです。
直接バイパスをした患者さん全てではないようですが、術後、一時的に過灌流(かかんりゅう)といって血流が多くなりすぎる症状になるケースがあります。
現在の医療技術では、血流を確保するために血管をつなぐことはできても、血流量までは調節できないのだそうです。それゆえ、つないだ血管からの血流量が多すぎて過灌流になることは珍しくありません。
術後に十分な血圧管理が必要です。
そして、過潅流なると脳に負担や刺激が加わるため、脳の機能に異常が出るんですね。
わたしは、軽度のてんかんのような発作が出ました。
その時のてんかん発作は、泡を吹いてしまったり倒れたりすることはなく、手先のしびれ、顔面のしびれ、呂律が回らなくなるという発作でした。
大抵の場合は、時間とともに血流量は安定してくるのでそれほど心配はないと言われました。
(※当然、ケースバイケースなので、異常があったらすぐに伝えましょう。)
「心配ない」と言われても、やはり不安でした。
手先のしびれ、ろれつが回らないというのが脳虚血発作と似ていてとても恐ろしかったです。
特に、突然呂律が回らなくなったときは、せっかくここまで回復した失語症が、また振り出しに戻ってしまったのかと思い涙が止まりませんでした。どうしようもなく怖かったです。
術後、10日ほどして症状もおさまりました。
発作が出てからしばらくは原因がハッキリとしなかったため、血流を保つための点滴を予定していたよりも長い期間外すことができませんでした。
長い期間点滴をすると、血管や神経にダメージを与えてしまい、指先にしびれが出たりします。
指先のしびれはその後もしばらく続きました。
このしびれの治療にはメチコバール、メチクールといったビタミンB12のお薬を処方してもらっています。
先日もブログで書いたとおり、ビタミンB12は、血管や神経細胞などの修復に効果があるんですね。
2,3ヶ月後にまた薬をもらう際に「この薬は症状が治まれば服用をやめてもいいし、飲み続けても害ではないのでどうしますか?」と言われたので、今のところ飲み続けています。
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