一過性脳虚血発作。絶対見逃さないで!
先日ニュースでミュージシャンのCHAGE&ASKAのASKAさんが一過性脳虚血症で活動を休止したと報道していました。
TIA、本当に怖いです。このブログでも何度も注意喚起していますが、いつも中途半端なので、今回は少し詳しく書いてみようと思います。(メモ書きに近いですが・・・・何かの参考になれば幸いです)
TIAの主な原因
動脈硬化や心臓内血栓からの微小血栓による一時的な脳血管の閉塞ですが、もやもや病や血管炎、血液凝固異常が原因のこともあります。
症状
脱力(特に手足)、片麻痺、しびれ、失語、めまい、視力の消失(片眼)が突然現れる
このような症状は、数分から1時間。多くは2〜15分程度で血流が回復して症状が消える。
(2002年以前は24時間以内に症状が消失すると定義されていました。)
勘違いしてはいけないのが、「血流が回復して症状が消える」から大丈夫、ではないということです。
TIAは脳硬塞を発症する前兆です。身体が危険信号を発しているんです。
脳梗塞発症率
TIAの発作後に脳硬塞を発症する頻度は、90日以内で10〜20%。その約半数は2日以内に脳硬塞を発症する。
高リスクTIAについて
高リスクTIAの基準は下記のとおりです。
(TIAの)発症から1週間以内で、下記に当てはまる場合は、高リスクTIAと考えられます。
1. 明確な局所神経症状(『顔、腕、言葉』の異常、片目が見えない、視野が半分欠けるなど目の異常)があった
2. 1週間のうちに2回以上TIA発作が起こった(クレッセンドTIA)
3. 頸動脈に高度の狭窄があり、その反対側の手足に麻痺が起こった
3. 心房細動(不整脈の一種)がある
4. ABCD2スコア4点以上
詳細はこちらでご確認ください!
早期の診断と治療がとても重要!
一過性脳虚血発作の症状は、短時間(約20分以内)で自然に消えてしまうので、病院で医師が症状を実際に確認できることはまれなため、本人や周囲の人の記録や説明が診断を下す際に重要です。
・どのような症状が出たのか。
・身体の左右のどちら側に発作が出たか。
・どれくらいの時間症状が続いたのか。
・頻度はどれくらいか。
原則的には入院し、詳しい検査(血液検査、尿検査、神経学的診察、MRI/MRA、CTなど、頸動脈超音波検査、頸動脈雑音の聴取、心電図、心エコー)と治療を開始します。
TIAと見分けにくい他の病気の症状
・偏頭痛
・てんかん
・頭蓋骨内疾患(脳出血、脳腫瘍、硬膜下血腫など)
・低血糖
・起立性低血圧
・前庭神経炎
・変形性脊椎症
・手根管症候群
つまり、見分けにくいのですから、病院に行きましょう。自分で判断してはいけませんよ!
症状の特徴
内頚動脈系と椎骨脳底動脈系、どちらの動脈に血流障害が起きたかによってTIAの症状は異なるそうです。
もやもや病患者の方は、内頚動脈系が多いと思いますので、そちらを詳しく。
内頚動脈系とはこれらの動脈です。
・眼動脈
・前大脳動脈(もやもや病で狭窄しやすい動脈)
・中大脳動脈(もやもや病で狭窄しやすい動脈)
運動障害:対側*1の顔面・上下肢の脱力、麻痺、巧緻運動障害(こうちうんどうしょうがい:緻密な動作ができない障害)
感覚障害:対側の顔面・上下肢のしびれ、感覚麻痺
眼の症状:一過性黒内障
その他:失語(優位半球*2のみ)、構音障害(椎骨脳底動脈系でも生じる)
*1:対側(たいそく)
この場合は、脳血管障害が出ている脳(右脳・左脳)とは反対側という意味です。
右脳に障害があれば、身体の左側に、左脳に障害があれば、体の右側に症状が出ます。
*2:優位半球(ゆういはんきゅう)
右脳と左脳のうち、言語や計算などを司る半球のこと。右脳は体の左半分を制御し、左脳は右半分を制御しているので、一般に、右利きの人の脳は左側(左脳)が優位半球になる。優位半球で出血が起こると、失語症を引き起こす。
優位半球でないほうは劣位半球という。http://kango.919.co.jp/word/%E8%BA%AB%E4%BD%93%E3%81%AE%E4%BB%95%E7%B5%84%E3%81%BF/%E5%84%AA%E4%BD%8D%E5%8D%8A%E7%90%83/
椎骨脳底動脈系とはこれらの動脈です。
・後大脳動脈
・上小脳動脈
・橋動脈
・前下小脳動脈
・後下小脳動脈
椎骨脳底動脈系の症状は・・・・別途調べてみてくださいm(_ _)m(力尽きました・・・)
あ・・・また中途半端になってしまったかも、、、、、ごめんなさい。
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Comment
こんなに沢山の情報、大変でしたよね…でもとても助かります!!ありがとうございます!!
発作って、すぐ治まったから…といって見過ごしがちになっちゃいますね。
こんなに恐いシグナルなんだと改めて気付かされました(T-T)
注意深く自分を見つめなくちゃですね…