もやもや病における脳出血について(数字データ)
私のもやもや病は虚血型で、いまのところ脳出血の気配もありません。
どこか自分とは関係のないことのような気持ちでいましたが、みなさんからの情報提供やもやもや病関連のニュースを見ていて、やっぱり気になるし、自分は出血型に関して勉強不足だなと感じました。
本などである程度のことは知っているつもりですが、昨日ちょうどもやもや病の脳出血に関する調べ物をしていて明確な数字を見つけたのでご紹介したいた思います。
医療関係者向けの情報だと思うので、「死亡率」とか、ショッキングな単語が平気で出てきますが、あくまでもデータということで心配しすぎずに読んでくださいね。
こちらのサイトを参考にしました。
医療情報サービス Minds(マインズ)
脳出血 5.高血圧以外の原因による脳出血の治療 5-6.Willis動脈輪閉塞症(もやもや病)における脳出血
エビデンス1
もやもや病の出血は43%に見られ、うち成人例は62.4%であった。もやもや病の予後不良因子は出血である。
やはり出血型は成人例のほうが多いですね。
エビデンス2
出血性もやもや病患者の48%が再出血を起こした。10年以上経過してから出血する頻度は35.7%、年間再出血率7.09%で、うち再出血と年齢が予後不良の危険因子である。 動脈瘤を有する本症患者においては、89%が頭蓋内出血で発症した。 動脈瘤の存在部位は56%がWillis動脈輪近傍、18%が基底核、22%が対側、4%が別の血管に見られた。 16歳以上の本症患者の初発症候は、52.6%が出血であった。出血例では、脈絡叢動脈と後脳梁周囲動脈からの側副血行が発達していた。
再出血する割合が高いですね。。
10年という比較的長い期間を置いて再出血することも多い、と。
成人例のもやもや病患者の初発症候の半数以上が脳出血ですか。。。
エビデンス3
頭蓋内出血を起こした本症病患者において、初回出血での死亡率は17.9%、再出血率は28.6%で、再出血までの期間は平均7.3年(2〜20年)であった。 ただし血行再建術を受けた者と受けなかった者との間に有意差は見られなかった。
出血性本症患者に対する外科治療の再出血予防効果については、効果ありとする報告と、効果を認めないとするものがある。 効果ありとする報告にも、EDASのみで効果ありとする報告と、EDASのみでは効果はなくSTA-MCA単独やSTA-MCA+EMSを組み合わせれば効果があるとする報告、これらの何れを行っても再出血には差がなく、予後は発症時の重症度によるとする報告もある。
出血型の患者に対する血行再建術の効果は昨日お伝えしたように、今年2013年(の6月?)に研究結果が発表されるので、もうしばらく待ちましょう。
エビデンス4
血行再建術を施行した20歳以上の本症患者の検討で68.6%が出血を発症し、うち12.5%が再出血を来し、虚血発症31.4%のうち18.1%が出血を来した。 血行再建術は出血を必ずしも予防できないが、STA-MCAによりもやもや血管が25%の患者で減少しており、直接血行再建術の重要性が指摘されている。
成人例の場合は、やはり直接バイパス手術のほうが効果が見込めるということでしょうね。
ただケースバイケースなので主治医の説明、相談をしっかりしましょう!
エビデンス5
間接的血行再建術を行った出血性の本症患者において、85.7%で血流の再開通やもやもや血管の減少は見られなかった。 虚血に対する手術効果に比べて、出血に対する手術効果は劣っていた。
この85.7%というのは小児例も含めた数字なのか、どうなんでしょう。
いずれにしても出血型のもやもや病に対しては、間接バイパス手術の効果は虚血型と比べて低くなるようです。
エビデンス6
出血性の本症患者の35%で再出血を起こした。再出血、経過不良の危険因子は、性別、大きな脳出血、早期の再出血である。再出血と高血圧との関連は確定されていないが、血圧のコントロールが重要である。 出血性もやもや病後の脳梗塞予防のためには適切な水分補給が重要である。
血圧のコントロールが重要!
そして水分補給!
ですね。
わたしも血圧は自宅でも毎日2回、多い時は3回ほど計測して記録をつけています。
わたしは高血圧ではなく、かなりの低血圧です。
血圧が低くなりすぎると脳の血流が悪くなる、ということなので、とても気にしています。。
以前にもご紹介したと思いますが、血圧計は手頃なので、↓これを使っています↓
また、血圧の計測記録はこのiPhoneアプリでやってます。
よろしかったら是非使ってみてください!
ふ〜〜、頑張って連日更新してみました^^;
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Comment
私は保育園のころ発症、7才9才と二回手術をしました。
それからは、調子よく、年1回の検診のみで普通の暮らしをしておりました。就職、結婚、出産病気のことなど忘れるくらい普通に過ごしていました…昨年職場で残業している時に、脳卒中を発症し、気がついたら病院に入院している状態…記憶がない…
それから脳外科に二週間入院しリハビリ病院へ1ヶ月入院し、自宅療養1ヶ月で職場復帰しました…
記憶障害は100%回復できない状態1年経過した今も記憶すること…忘れることと日々戦っています。
同じような症状の方おられますか
私の妻は、2016年に血管バイパス手術をしましたが、2017年4月に2度目の脳内出血により、8日間の集中治療の結果、急逝しました。日々の体調管理をもっともっと気をつけていれば、妻ともっともっと一緒に体調管理していれば・・・とても悔やむ毎日です。今でも妻が自宅にいるかのような感じで毎日涙してます。同じような患者さんには「血圧管理」これを本当に徹底してもらいたいと思います。妻や夫を急に失う悲しさは普段想像もしないことなので本当に辛いです。
wjxyc541さんへ
私ももやもや病です。
奥様を亡くされ、お辛い時に、コメントをして頂きましたことに感謝致します。
ありがとうございます。
実は、バイパス手術をして何十年も問題なく生活していたのに、突然倒れて寝たきりになっている方が人数とかわかりませんが、いらっしゃることを最近知りました。
なるべく、残業などをしないように、ストレスをためないようにと思いますが、無理をしたくなくても、仕事ですから多少は無理をすることもありますし、
外食をして食べ過ぎて、血圧が高くなったりすることもあります。
血圧も最近は測らない時もありますが、きちんと測って気をつけたいと思います。
奥様のご冥福をお祈り致します。
お辛いとは思いますが、お力を落とされませんように。
真希
Jam trialの結果は6月末に出るようですね。
後1人結果が出たら一旦統計を出すようです。出血を起こした人でバイパスを行ったら、再出血を起こしにくいと言われていますが結果がとても気になります。
おおおぉぉ〜
今月末なんですね!
どこか関係者の方からの情報でしょうか・・・
とにかく、情報ありがとうございました!
nyarockさん、こんばんは☆
私は基本的に血圧が高め…降圧剤も無くなる気配はありません(^^;
虚血型でも、もやもや病である限り、常に脳出血のリスクがある…という認識でいます。先生もこれが一番怖いとおっしゃっていた気がします。
血圧のコントロール…大事ですね。。
と、水分補給(これが中々時間に追われているとおざなりに…)
気を付けよっ(>∀<)
そうですね、常にリスクはある、ということなので最近気にかけています。
つい忘れがちな水分補給ですが、自分でも気をつけつつ、家族など周りの人に厳しく指摘してもらってます。しつこいくらいに。
でも大切ですので!