鈴木の6期相分類(もやもや病の進行過程)
もやもや病の病期は1期から6期に分類されている。
もやもや病を命名した東北大学の鈴木二郎氏による(特に小児例における)病気の進行過程を脳血管撮影所見。
当時はMRI、MRAは普及していなかったため、脳血管撮影の所見からの分類。
第1期:
Carotid fork狭小期。内頚動脈終末部の狭窄
第2期:
もやもや初発期。内頚動脈終末部の狭窄にもやもや血管が見られる
第3期:
もやもや増勢期。もやもや血管が増勢し前大脳動脈、中大脳動脈群が脱落し始める
第4期:
もやもや細微期。病変が後ろへ及び後大脳動脈群が脱落し始める
第5期:
もやもや縮小期。内頚動脈系主幹動脈がほとんど消失
第6期:
もやもや消失期。外頚動脈および椎骨動脈系よりのみ血流保全
この分類にもいろいろ問題があります.それは、多くの症例が3-5期に分類され、特に3期が多く、1期や6期が少ないこと、また、臨床症状とこの病期が あまり関係がないことが挙げられます.確かに、血管撮影上は、1期から6期の方へ進行するようなのですが、3期の方が6期より軽いかというとそうではありません. 血管撮影上の閉塞・狭窄の度合いの目安と考えています.また、1期や6期ではもやもや血管は血管撮影上で認められないため、もやもや病の定義から言うと、 もやもや病でないという矛盾が出てきます.2期の血管拡張が本当に認められるのかも疑問です.こんなことは、患者さんに関係のないことなのですが、 この病気の病態の解析や統計をとる上で重要なのですが、曖昧のままで今日に至っています.
もやもや病の病期
にほんブログ村のランキングに参加しています!
こちらをクリックいただくと、このブログがランクアップします(・∀・) ご協力よろしくお願いします!


皆様から頂いたコメントは下記の関連記事、新着記事をスクロールし、その下に表示されます。
関連記事
-
-
直接バイパス手術、直接吻合術(ちょくせつふんごうじゅつ)、STA-MCAバイパス手術
脳卒中を防ぐ技術 (脳神経外科専門医が教える) ↑↑こちらの本、とて...
-
-
血管造影(けっかんぞうえい、アンギオグラフィー、アンギオ)
動脈、静脈、心腔などの血管内部またはルーメンの状態を可視化する医用画像...
-
-
特定疾患(とくていしっかん)
いわゆる「難病」のうち日本において厚生労働省が実施する難治性疾患克服研...
-
-
もやもや血管(側副血行路、そくふくけっこうろ)
正常血管に見られるような内膜、中膜、外膜といった細胞組織を持たない血管...
-
-
MRA(エムアールエー、磁気共鳴血管造影、じききょうめいけっかんぞうえい、MRアンギオグラフィ)
核磁気共鳴画像法 (MRI) を用いて特に血管だけを取り出し鮮明に画像...
新着記事
PREV : 狭窄(きょうさく)
NEXT : 間接バイパス手術、間接吻合術(かんせつふんごうじゅつ)