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近々発表される予定のもやもや病に関する研究結果について

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大変ご無沙汰しています!更新が滞ってしまい申し訳ありません。

さて、もう6月中旬にさしかかっていますね。
2013年6月といえば・・・皆さん覚えていますでしょうか?

もやもや病に関する研究結果が発表される予定なんです!

このブログでも以前、2012年6月に取り上げていましたね。

一方、手術による脳出血の予防効果については来年6月に結論が出る予定だ。京都大脳神経外科の宮本享教授は「一度、出血した人は再出血の危険が高いため、出血後の治療の研究は重要な課題の一つだ」と話す。
来年6月にもやもや病に関する発表?

手術による脳出血の予防効果の研究ってどんな研究?

もやもや病には脳硬塞を起こすような虚血型や、脳出血を起こす出血型、無症状型といろいろあります。
虚血型も出血型もバイパス手術すれば大丈夫じゃないの?
いやいや、出血型に関して言うと「手術すれば大丈夫」と言えるだけの証明ができていないのです。
特に、バイパス手術による再出血の予防効果を研究しているわけですね。
「再出血」と一言で言っても、「いつ」再出血するかは誰にもわからないので、長期的かつ多くの症例が必要な研究になります。

そこで、何を研究しているのでしょうか?

出血例に関しましては、脳の深いところに脳室という部屋がありますが、この近くで出血する場合が多いです。
出血の発症に対する治療というものは何かないかということですが、もともとは虚血の病気です。それが出血を起こすということで、例えばバイパス手術によって、脳血流が改善することで、二次的にできていたもやもや血管(側副血行路)にかかっている血行力学的負担を軽くすると出血が起こりにくくなる、血管の負担が軽くなるのではないかというこういう考え方でバイパスを研究しているわけです。しかし、まだこれは証明されていません
東北大学の吉本先生が中心のもやもや病研究班の中で、「出血発症成人もやもや病の治療指針に関する研究」というのがあります。ジャムトライアル(JAM Trial)といいます。これは、出血発症した方に対してバイパスが有効かどうか、要するに再出血が防止できるかどうかという研究を今進めております。
北里大学脳神経外科

なるほど、「出血発症した方に対してバイパスが有効かどうか、要するに再出血が防止できるかどうかという研究」なのか。
この研究はジャムトライアル、Japan Adult Moyamoya (JAM) Trialって呼ばれているんですね。

今年の6月に結果が出る、では、いつ頃から始まった研究でしょうか?

子どもの時に適切なバイパス術を受けた患者さんは、大人になって出血することが非常に少ないという事実も手術の効果を示唆しています。しかし、バイパス手術の出血予防効果はまだきちんと証明されておらず、2001年から全国23の病院が協力して、本当にバイパス術で出血を減らせるのかどうかを検証する共同研究が行われています。
循環器病情報サービス [70]もやもや病って?

2001年から行われているんですね。もう10年以上も!

具体的に、どういう研究結果が期待されているんだろう?

出血発症成人もやもや病に対する直接法によるバイパス手術の再出血予防効果を科学的に確かめるためJapan Adult Moyamoya (JAM) Trialが、厚生労働省特定疾患対策研究事業の一環として2001年より多施設で開始され、現在進行中です。非手術例における再出血率30〜40%をバイパス手術により10〜20%まで押さえれることを証明しようとの研究です。
佐賀大学医学部脳神経外科 もやもや病について

なるほど具体的な数値目標もあるんだ!
1%でも良い結果が出て欲しいです!

これまでの途中経過はどうなんだろう?

もう10年も研究しているのなら途中経過みたいなものってわからないのかな?と思い調べてみました。
・・・が、全然見つかりません。
でもひとつだけ見つけましたよ!

もやもや病による脳出血を一旦発症すると、その後高い確率で再出血発作を起こすことが知られていますが、現在これを防止する決定的な治療法は存在しません。ただ、虚血型に対するバイパス手術後にしばしばもやもや血管が退縮し、これらの血管への負担が軽減されている可能性があります。負担軽減が出血防止につながる可能性があり、現在京都大学を中心として全国多施設共同研究が行われている最中です。中間解析ではバイパス手術によって再出血のリスクは低下する傾向を示していますが、最終結果は2013年に明らかになる予定です。
京都大学医学部附属病院脳神経外科 もやもや病

「再出血のリスクは低下する傾向」!!よし!
しかし、やはり「最終結果は2013年」と。。。焦らず良い結果を待ちましょう!

上記の引用で研究している大学名が異なりますが、これは間違いではなく、調べてみたところ、
「主任研究者」が東北大学大学院医学系研究科 神経外科学分野の吉本 高志教授、
「研究事務局および研究企画担当」が京都大学大学院医学研究科 脳神経外科の宮本 享教授
だということです。
参考:Japan Adult Moyamoya(JAM)Trial in 2002(PDFです)

少し専門的な解説も見てみましょう

こちらのサイトを参考にしました。
医療情報サービス Minds(マインズ)
脳卒中 VI.その他の脳血管障害 2.もやもや病(Willis動脈輪閉塞症) 2-3.もやもや病(Willis動脈輪閉塞症)の出血発症例に対する治療

再出血予防のための治療指針は確立していない。もやもや病に対する直接血行再建術後の脳血管造影ではもやもや血管の消退や末梢性動脈瘤の消失が観察されることが報告されており、これら側副血行路血管への血行力学的負荷が軽減している可能性が推測されることから、再出血予防効果が期待できるという説がある。直接血行再建術を施行した虚血型もやもや病患者では、その後の長期追跡において非手術例と比較して出血転化が少ないとの報告がある
出血型に対して血行再建手術を行った群は内科的治療のみの群と比較して有意に再出血発作が少なかったとする報告や、出血型に対して直接血行再建術を施行することで再出血および虚血発作が有意に低減するとの報告がある。一方、血行再建術の再出血予防効果を否定する報告がある。出血型に対する間接血行再建術は虚血型と比べて効果が劣り、血管新生ならびにもやもや血管の減少が得られないことが多いとの報告がある。なお、出血発症もやもや病に対する血行再建術は虚血発作も含めた脳血管イベント予防効果が報告されており、虚血発作を有する出血発症もやもや病に対しては血行再建術が有効と考えられる。
直接血行再建術の再出血予防効果の有無を検証するためのrandomized controlled trialが、2001年より開始され現在進行中である〔Japanese Adult Moyamoya (JAM) Trial〕。JAM Trialは出血型もやもや病例において、両側大脳半球への直接血行再建術を行う群と、内科的治療のみを行う群とを無作為振り分けにより決定し、その後5年間の経過観察を行う多施設共同研究であり、その結果が注目される。

わたしは虚血型なのですが、この結果には大注目しています。
前回の定期検査で主治医がちらっとこの研究について言っていたのですが、あまり詳しく聞けず、、、、。
みなさんも主治医の先生などから何か情報を得られましたら是非教えていただけると助かります!


かなり長い間更新が途絶えてしまいました。。ごめんなさい。
無理やりネタを考えて書くこともできなくはないんですが、これってほんとうに役に立つかな?とかあれこれ考えていると何も書けず・・・・。

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Comment

  1. nyarock より:

    「Jam trialの結果は6月末に出る。後1人結果が出たら一旦統計を出す」との情報をいただきました。
    結果が出て同時に公表されるかはわかりませんが、いずれにせよそろそろってことですね!

  2. パン坊 より:

    久々の更新。よかった(^^)
    ちょっとばかり心配してましたf(^_^;
    そしてこれだけの資料集めなどなど、お疲れ様です!!!!
    私とかこれだけの文章は中々一度では理解する事が出来なくなってて、何回か読まなきゃかなって思っています(^^;
    結局発表はまだなんですよね?! 興味深いものになればいいな☆

    のんびりいきましょー(^з^)-☆

    • nyarock より:

      パン坊さん

      コメントありがとうございます。
      ご心配をお掛けしてスミマセン。。

      発表、待ち遠しいですよね。医療関係者のみへの公開だったらなかなか見つけられないかもですね。。

      のんびり頑張ります〜。

  3. えり より:

    Nayrockさん、こんにちは!

    更新あって良かったーーーーー。・゜・(ノД`)・゜・。心配したよぉーーー

    いつも有益な情報をありがとうございます!

    情報も…大事ですが…Nyarockさんの無事も気になります(>人<;)わがままかな!?

    • nyarock より:

      えりさん

      いつもコメントありがとうございますm(_ _)m
      体調は問題なく健康に生活しているのですが、最近は気分的に滅入ってしまうことが多く・・・いろいろうまくいきません・・・。
      今日はたまたま気分が晴れたので更新してみました。

      のんびりがんばりますので、今後ともよろしくお願いしますm(_ _)m

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